今月のご法話のテーマは『 さ せ て い た だ く 』、佼成会用語の中でもよく用いられる、重要な用語の一つである。
最初の段落「無限のつながりのなかで」では、
森政弘(工学博士)先生と青山俊董師(あおやましゅんどうし)(曹洞宗)のお言葉〔ご法話参照〕を引用され、仏教の「縁起観」という宗教的な世界観から生まれた表現と解説頂き、この言葉には、本来私たちを常に「生かそう生かそう」とはたらいてくださる大いなるものに対する、感謝の念が含まれているといえる。
しかし、時によっては慇懃無礼(いんぎんぶれい)な態度と受けとめられることもある。もし、そのような誤解が生まれるのなら、より主体的に「させてもらいます」と伝えるほうがいい場合もある。
佼成会ではよく使われる表現だけに、「あらゆるもののおかげさまで」という気持ちから、自然に「させていただく」と言える私たちでありたい。
そして、第2段落「仏さまへの感謝」では、
「させていただきます」と口には出すが、「おかげさま」や「ありがたい」を忘れてしまうと、「している」「してやる」といった自我が出る。
そこで、たとえば「させていただく」の前後に「おかげさま」「ありがたい」を添えると、それがそのまま素直な気持ちになる。
よって、「おかげさまで、させていただけることがありがたい」と口にしていれば、縁起の教えがしっかり胸に刻まれ、いつでも心からそういえるようになるのではないか。
理想的には、「させていただく」感謝の実践は、仏・菩薩の遊戯三昧(ゆげざんまい)のような、とらわれのないうれしさ・楽しさにつながる。
信仰をもつ私たちは、日ごろの生活の中で仏さまへの帰依の念を養い、「大いなるものに生かされている自分なのだ」という自覚と感謝に目ざめることが大事。
いつもながら、会長先生のお慈悲が響いてまいります。
文中の下線部のように具体的な言葉の在り方をお示しいただいている。
日ごろ何気なく使わせていただいている言葉も、教えにてらして意義をかみしめさせていただくと、開祖様が菩薩行を具体的な行動規範として、基本信行や用語に表現いただいていることに、深く感謝いたします。
今月は、「謙虚さ」と「三宝帰依」を深めることを教えていただけた。
合掌
立正佼成会 姫路教会
たかとし
教会長 吉 田 高 聡